歯ブラシを用いたブラッシングには、口の中の付着物の効果的な除去、歯茎マッサージなどの目的に合わせたさまたざまな方法が考案されています。主に歯ブラシの毛の使用部位により「歯ブラシの毛先を使ったブラッシング方法」と「歯ブラシのわき腹を使ったブラッシング方法」に分類されます。
☆歯ブラシの毛先を使ったブラッシング方法
①水平法(横磨き法)
a.適応
・幼児
・噛む面
・細かい操作が困難
b.特徴と留意点
・操作が容易で、歯垢の除去効果も高い。
・歯と歯の間の清掃効果は劣るので、補助的清掃用具との併用が必要。
・強いブラッシング圧や硬い歯ブラシの使用を長期間続けると歯茎がさがってきたり、歯が削れてきたりするので知覚過敏など併発するので注意する。
c.毛の硬さ、歯ブラシの選択
・やわらかめ〜ふつう
・三列植毛
・歯並びに適した歯ブラシ
②垂直法(縦磨き法)
a.適応
・歯と歯の間が大きい
・歯並びが悪い
・細かい操作が困難
b.特徴と留意点
・操作が容易で歯と歯の間の清掃が容易であるが、歯と歯の境目の清掃効果は劣る。
・強いブラッシング圧や硬い歯ブラシの使用を長期間続ける、歯茎が下がったり歯茎を痛めてしまうので、注意する。
c.毛の硬さ、歯ブラシの選択
・やわらかめ〜ふつう
・三列植毛
・歯並びに適した歯ブラシ
③スクラッビング法
a.適応
・良好な歯茎の状態維持
・軽度の歯肉炎
・歯並びが悪い
・矯正してる方
・歯茎が下がっている
・知覚過敏
b.特徴と留意点
・操作が容易で歯と歯茎の境目、歯と歯の間、噛む面の歯垢除去効果が高い。
・毛先を使用したブラッシング方法として一般的によく指導されている。
・ストロークが大きくなると水平方向になるので気をつける。
c.毛の硬さ、歯ブラシの選択
・やわらかめ〜ふつう
・三列植毛
・歯肉炎や知覚過敏がある場合は軟らかい歯ブラシ
④バス法
a.適応
・歯茎が腫れている出血している
・痛みがある
・深い歯周ポケットがある
b.特徴と留意点
・歯と歯茎の境目や歯周ポケットの歯垢除去に効果がある。
・歯と歯茎の境目に歯ブラシの毛先をあてることと振動を与える操作が難しい。
・誤った操作は歯茎を傷つけるので注意する。
・歯茎マッサージの効果は大きい。腫れの軽減が見られたら他の方法へ移行していく。
c.毛の硬さ、歯ブラシの選択
・とてもやわらかい〜やわらかめ
・1.2列植毛、テーパード毛
・痛みや出血がある場合は超軟毛歯ブラシ。経過を見ながら硬さを変えていく。
歯ブラシの毛先を使ったブラッシング方法は他にもあります。
今回は代表的なブラッシング方法を紹介しました。